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2026/06/03

台風シーズン前に要チェック。屋根上の太陽光パネル、自己点査だけでは見逃す‘外れ・ズレ・浸水’のリスク

台風シーズン前に要チェック。屋根上の太陽光パネル、自己点査だけでは見逃す‘外れ・ズレ・浸水’のリスク 画像

「あの台風の夜、隣の家のパネルが飛んでいくのを見ました」――そう語るのは、名古屋市に住む50代の男性。幸い、自宅のパネルには異常が見られなかったのでそのままにしていました。ところが、翌年の点検で判明したのは、屋根の防水層が傷み、小屋裏に雨水が染み込んでいたという事実でした。

「パネル自体は無事だったので安心していました。でも、プロに見てもらったら、あと一歩で天井にシミが出る状態だったんです」

この話は、私たちが現場で出会う「典型的な後悔」の一つです。太陽光パネルを設置された多くのご家庭が、「パネルが丈夫そうだから大丈夫」と考えがちです。しかし、本当に恐ろしいのは「パネルそのものの破損」よりも、「パネルが原因で家が傷む」ことなのです。

今回は、住宅設備の点検を年間数百件手がけるMIRAI HOMEの点検担当者に、台風シーズンを前にして「自己点検では絶対に見逃してしまうリスク」について、現場のリアルな声を交えながら聞きました。

プロが見た“自己点検では絶対に分からない”3つのリスク

「まずお伝えしたいのは、地面からパネルを見上げて‘傾いてないから大丈夫’と判断するのは、とても危険だということです」

そう語るのは、MIRAI HOMEで太陽光・蓄電池の点検を担当する黒野。彼が現場で毎年のように目にする、自己点検では捕捉できないリスクとは一体何なのでしょうか。

リスク1 パネルの「目に見えない浮き」と架台の金属疲労

「地面から見える範囲で確認できるのは、せいぜい『パネルにひび割れがないか』『大きく傾いていないか』くらいのものです」と黒野は言います。

実際に屋根の上に上がってみないと分からないのが、架台(パネルを支える金属製の土台)の緩みです。ボルトがわずかに緩んでいたり、金属自体が長年の風雨で疲労して強度が落ちていたりするケースは、設置後5年以上経過した物件で特に多く見られます。

「一度、強風の後に点検に行った現場では、架台の一部が屋根材からわずかに浮いていました。ご本人は全く気づいていませんでしたし、あれがそのまま次の台風を迎えていたら、最悪の事態も考えられました」

リスク2 「パネル自体は問題なし」でも発生する“防水層の浸水”

もっと多いのが、このケースです。太陽光パネルは、屋根に「架台」を固定して設置します。その固定用のアンカー(足場)を打ち込む際、屋根の防水層に加工が入ります。もちろん、設置時は防水処理が施されていますが、長年の紫外線や温度変化によって、その周辺から少しずつ劣化が進むことがあります。

「パネルが原因で家が傷むケースは、パネル自体の破損よりも、防水周りのほうが圧倒的に多いですね」と黒野。

雨漏りの恐怖は、染みが天井に現れるまで気づかないことがほとんどだということです。小屋裏に入らない限り、数年間も水が染み続け、木材の腐朽やカビの温床になっている可能性があります。

リスク3 蓄電池・配線の「外見では分からない内部ストレス」

屋根上には、パネルと蓄電池をつなぐ配線が延びています。この配線を覆うカバーが劣化して剥がれ、接続部が雨水にさらされると、発熱やショートの原因になります。

「蓄電池本体は屋内にあるので、多くの方が‘室内の機器は安全’と考えがちです。しかし、発電した電気を運んでいるのは屋根上の配線です。そこに異常があれば、蓄電池本体に影響が及び、最悪の場合、機器の寿命を縮めたり、保証の対象外になったりすることもあります」

つまり、パネルだけでなく、蓄電池の安全運用のためにも、屋根上の点検は欠かせないのです。

なぜ今、愛知・名古屋エリアの住宅が要注意なのか

東海エリアの「気象リスク」と住宅の特性

名古屋を中心とした東海地方は、日本でも台風の接近頻度が高い地域の一つです。短時間に大量の雨を降らせる線状降水帯の発生リスクがあり、強風と大雨が同時に襲ってくる「コンボ」に住宅がさらされる機会が多いのが特徴です。

「名古屋周辺の住宅は、パネルの設置ブームが重なった2010年代半ばに建てられたり、リフォームされたりした物件が多いです。それから10年近く経過し、そろそろ架台や防水の劣化が本格化するタイミングに来ているんです」と黒野は指摘します。

愛知県の年間平均降水量は全国平均を大きく上回り、夏から秋にかけての台風シーズンは、住宅にとってもパネルにとっても、一年で最も過酷な時期と言えます。

「設置後10年」が迎える、2つの節目

太陽光パネルの架台には、通常10年の保証期間が設けられていることが多いです。また、パネル自体の出力も、10年を過ぎると経年劣化が加速するピークを迎えます。

「保証期間が切れるタイミングと、パネルの性能が変わるタイミングが重なる。つまり、『設置して10年』は屋根の上の環境が大きく変わる節目なんです」と黒野は説明します。

もしご自宅のパネル設置が2015年前後であれば、今まさにその節目を迎えている可能性があります。

「自分で確認できる範囲」と「プロに任せるべき範囲」の境目とは

では、一般のご家庭でできることと、プロに依頼すべきことの線引きはどこにあるのでしょうか。

家庭でできる3つの確認事項

まずは、今すぐできる簡単なチェックから始めましょう。

  • 地面からパネルの外観を見上げる:明らかな傾き、ガラスのひび割れ、配線カバーの脱落がないか
  • 蓄電池のエラー表示を確認する:屋内の蓄電池本体に赤色や橙色のランプが点灯していないか
  • 屋内の異臭・染みをチェックする:小屋裏や2階の天井周辺にカビ臭や茶色のシミがないか

「これだけでも、異常の有無を感じ取ることはできます。ただし、これで‘大丈夫’と判断するのは危険です」と黒野は注意を促します。

プロの点検でしか判明しない「数値的・構造的な異常」

プロの点検では、どこまで確認できるのでしょうか。

「まず、屋根の上に直接上がり、架台のボルトを一本一本確認します。トルクレンチという道具で締め付け具合を数値化し、規定値より緩んでいる箇所を洗い出します。また、パネルの発電出力を計測し、経年による性能低下の具合を診断します」

さらに、近年では赤外線カメラを使った熱分布調査も行われています。

「防水層の劣化箇所は、温度が周囲と異なるため、赤外線カメラで‘見える化’できます。肉眼では絶対に分からない、防水シートのわずかな亀裂も捉えることができますね」

MIRAI HOMEの点検で得られる「次の一手」

点検の価値は「異常を見つけること」だけにとどまりません。

「点検後には、『今すぐ直すべき』『今シーズンは様子を見て、来年春に整備』『問題なし』といったように、優先順位を付けた改善プランをご提案しています。費用感やタイミングも含めて、ご家庭の予算に合わせた選択肢を提示することが、私たちの役目だと考えています」

つまり、点検は「壊れているかどうか」の診断ではなく、「これから10年、どうやって住まいを守るか」の設計図を作る作業なのです。

【実例】「点検しておけば良かった」という声が、実は一番つらい

私たちが現場で最も胸を痛めるのは、台風を迎えた後に寄せられる「あの時、点検しておけばよかった」という声です。

ある年、台風12号が東海地方を通過した後、名古屋市の戸建て住宅から修繕の相談を受けました。ご家庭ではパネルに異常がないことを確認していたそうですが、実はアンカー周辺の防水シートが劣化しており、強風でめくれた雨水が直接屋根材に流れ込んでいました。

「小屋裏に入らないと分からない場所だったので、気づいたのは2階の天井に茶色いシミが広がってから。結局、パネルを一旦降ろして防水をやり直すことになり、修繕費用は数十万円規模に及びました」

一方、同じ地区で点検を半年前行っていた別のご家庭は、わずかな防水の亀裂を事前に補修できたため、台風を何事もなく乗り越えることができました。

「パネルを降ろす大規模な修繕と、定期点検の数万名のコストを比べると……と、後からおっしゃる方が本当に多いです。点検は‘保険’ではなく、‘家を長く守るための投資’です」

台風シーズン前にできる、最も費用対効果の高い“備え”とは

太陽光パネルは、もはや「発電機器」ではなく、「住まいの屋根という大切な部分」です。パネルがあって初めて、屋根全体の防水性や耐風性が語れる時代になっています。

自己点検は大切です。しかし、「自分の目で確認した範囲=安全」ではありません。屋根の上の世界は、私たちの想像以上に過酷で、そして想像以上に繊細なのです。

特に愛知県・名古屋周辺の住宅は、気象リスクと経年劣化が交差するタイミングを迎えています。設置後5年、10年という節目を超えたパネルは、プロの目と手による構造診断が必須です。

お住まいの屋根の上が、本当に安全か。今、一度、プロの目で確かめませんか。

MIRAI HOMEでは、太陽光パネル・蓄電池・屋根・外壁を含めた住宅設備点検を承っています。台風シーズンを前にしたこの時期、ご自宅の状態を正しく把握し、安心して夏を迎えるための第一歩として、まずは気軽にご相談ください。

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